介護美容師とは、介護を必要とする方のヘアカットなどを行う美容師のこと。介護が必要な方のヘアカットに携わるため、とてもやりがいがある職業です。美容師といえば就職先はお洒落なお店というイメージが強いですが、主に介護施設で働くこともできます。
では、介護美容師とは一体どのような職業なのでしょうか。働き方や必要な資格についてを本記事でまとめているので、気になる方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。
介護美容師とは
介護美容師は、体が不自由な方、高齢者、介護施設に入所している方に対して洗髪・ブロー・ヘアカット・ヘアセット・トリートメント・カラーリング・パーマなどの施術を行う美容師のことです。施術をする対象が体の不自由な方になっただけで、施術内容は普通の美容師と変わりません。
ただ、利用者のご家族とのコミュニケーションが重要だったり、介護の知識が必要だったりすることもあります。
例えば意思疎通が難しい利用者なら、ご家族とどのような髪型にするのかを相談しながら進めたり、身体的な負担が心配な場合は姿勢などに気をつたり、普通の美容師では行わないサービス・気配りが必要になるのです。
介護美容師になるには？
介護美容師になるには、まずは美容師免許の取得が欠かせません。美容師の国家試験を受験するには、厚生労働省が認定している養成機関で決められた期間学ぶ必要があります。昼間・夜間課程なら2年、通信課程なら3年の修業が必要です。
また、介護が必要な方は気軽に外出することができないので「顔剃り」ができると喜ばれるケースも。必ずしも必須ではありませんが、美容師と理容師のダブルライセンスを取得すれば、より介護美容師として活躍できるでしょう。
介護美容師に介護士の資格は必要？
介護美容師には「介護」とつくので介護士の資格が必要なのではないかと思われがちですが、介護美容師として働くために介護士の資格は必要ありません。施術をする相手がただ体の不自由な方というだけであり、介護美容師が介護を行うわけではないからです。
ただ、まったく介護の知識が無いよりはあったほうが役に立つことは間違いありません。そこで、介護美容師を目指す方におすすめの資格や講習をご紹介します。
福祉理美容師の資格を取得する
福祉理美容師とは、美容師の資格を所持している方なら誰でも受験できる資格です。学ぶ内容は、介護美容師として働く上で役立つ介護の知識や、寝たきりの方に施術する方法など。講義1日、実技1日の2日間で講座が行われ、それぞれレポートを提出することで資格を取得できます。
ただ、レポートが78点未満の場合は不合格となり、再提出を求められるので要注意です。
また、介護美容師として訪問をして施術を行う働き方を検討している方は、「訪問福祉理美容師」の資格取得も検討してみてください。お年寄りとのコミュニケーション方法や、働き方の基礎を学べます。特に試験はなく、指定の講習会を受講するだけで認定証が授与されるので、受けておいて損はありません。
介護美容師の働き方とは？
介護美容師にはさまざまな働き方があります。
- 事業所に所属し、依頼があれば介護施設や医療機関、利用者の自宅に訪問して施術する
- サロンで美容師として働きながら、依頼があれば利用者の自宅に訪問して施術する
- フリーランスとして開業し、依頼があれば利用者の自宅に訪問して施術する
介護美容師は、基本的には事業所やサロンに所属し、施術を希望する利用者の自宅に訪問したり、契約先からの依頼を受けて施設や自宅に訪問する形で働くことが多いです。
また、自宅を事務所として拠点にし、医療機関や介護施設と外部委託契約をしたり、SNS・HP・チラシなどで宣伝し、依頼を受けたら利用者の元に訪問して施術するフリーランスとしての働き方もあります。フリーランスで働く場合、医療機関や介護施設への売り込み、SNS・HP・チラシなどでの宣伝が大変で、経営者としての素質も重要になるので、難しい働き方といえるでしょう。
介護美容師の需要は？
美容師や美容室の数は溢れていると言われていますが、「介護美容師として働きたい」という人の数は少ないと言われています。
さらに、今は高齢化社会なのもあり介護美容師の需要は急上昇中。今後、さらに介護美容師の需要は高くなり、依頼もどんどん増えていくと予想されます。
また、介護美容師に依頼をする人は高齢者だけに限らず、体になんらかのハンデを持っている方も。確実に需要のある職業なので、将来の心配はあまりしなくて良いと考えられるでしょう。
まとめ
介護美容師は体が不自由な方を対象とした仕事なので、多少介護の知識や技術が必要になりますが、とてもやりがいがある仕事です。これからさらに需要も増し、就職には困らない・将来安泰と言っても過言ではありません。美容師としてお客様を笑顔にしたいし、社会貢献もしたいと考えている方にぴったりの職業なので、気になる方は介護美容師について、真剣に考えてみてはいかがでしょうか。
