「管理美容師」という資格を所持している美容師は、一般的な美容師と違って、お店の衛生を保つ責任者として働ける特別な役割を持つことができます。
美容室の運営に必要な知識を得た美容師が取得できる資格で、所属する美容室の運営に深く関わりたい人・将来独立開業を目指す人に必要な資格です。
では、管理美容師の資格を取得するには、どうしたら良いのでしょうか。今回の記事では、管理美容師の資格を取る条件や、取り方についてご紹介していきます。
管理美容師が必要な理由とは?
そもそも、管理美容師という資格が存在するのは何故なのでしょうか。資格の取得方法を紹介する前に、まずは管理美容師の必要性についてを解説します。
①法律で定められているから
従業員数が2名以上の美容室には、必ず管理美容師がいないといけない決まりになっています。逆に、自分1人で美容室を切り盛りしているなら、管理美容師がいなくても問題ないということですね。
②美容室内の衛生環境のチェックを行うため
美容師はお客様の肌、髪に直接触れるので、事故や感染症を防ぎ安全に業務を行わなければなりません。管理美容師は、安心安全な環境を整えるため、美容室内の衛生環境を整える役割になります。
主なチェックポイントは下記の通りですが、都道府県の条例によっては異なる場合も。
- ハサミ、クシなどの器具を消毒する
- 紙製品は都度廃棄する
- タオルの使いまわしをしない
- 万が一お客様が怪我をした場合の対処
- 換気
- マスク着用
- 未消毒の器具と消毒した器具の取り扱い
管理美容師になるには?
管理美容師になるには特に試験は無いのですが、2つの条件を満たしていないと管理美容師の資格を取得することはできません。その2つというのは「3年以上美容師として働いている」「都道府県知事指定の講習会を受ける」ことです。
①3年以上の実務経験
管理美容師は、美容室の衛生環境を保つ責任者としてのポジションです。美容師の経験がなければ、いつどんな時にどういうリスクがあるのかの実感がわきにくいでしょう。
講習会をいくら真面目に受け知識が身についても、実際に美容師として働いた経験がないと、臨機応変な動きができません。
まずは美容師として3年以上働き「美容師としての経験を積んでから、現場の環境を整える知識や技能を身に着けましょう」という意味で、実務経験3年以上が管理美容師の資格取得の条件になっているのです。
②都道府県知事指定の講習会を受ける
管理美容師になるには、合計18時間(3日間)の講習を受講する必要があります。講習会では、公衆衛生・衛生管理などの講義が行われ、3日間受講しないと資格が得られません。
また、講習会の受講募集タイミングは決まっています。年に3回のタイミングなので、要注意です。受講には16,000円と必要書類などが必要になります。都道府県によって必要書類などが異なる場合があるので、必ずチェックしておきましょう。
管理美容師の資格は取って損はナシ!
管理美容師の資格は、美容室の衛生管理の責任者になるためや独立するために必要な資格だと思われがちですが、特にその予定がなくても取っておいて損がない資格です。
管理美容師ではなくても、美容師として働く以上衛生面の徹底は必要だからです。衛生の保ち方などの知識があれば、お客様はもちろん、自分の安全を守るためにも役に立ちます。
また、コロナ禍の今、特に衛生管理には注目が集まっています。管理美容師だけにとどまらず、一般の美容師も衛生管理に高い意識を持つことが重要な時代なので、これを機に管理美容師の資格取得を目指して頑張ってみてはいかがでしょうか?
試験勉強は特になく、美容師として3年以上の実務経験と講義の受講で資格が取れるのですから、条件を満たしている人は、ぜひ受講を検討してみてください。管理美容師の資格を持っているということは、衛生への知識があるということ。お店からの信頼も厚くなりますし、管理美容師のポジションにつく予定がなくても、メリットがありますよ。
まとめ
管理美容師は独立を検討している人や、お店の運営に深く関わりたい人に重要な資格ですが、条件を満たしていれば多くの美容師が取得したい、取って損はない資格です。
3日間の受講だけで資格を取得できるので、興味がある人は、都道府県のホームページなどで管理美容師の受講募集を確認してみましょう。
募集は年に3回しか行われていないので、受講を検討している人は、まず募集がいつなのかをあらかじめチェックしておくようにしてくださいね。